富士登山の準備

高山病の予防と対策

富士山は、海抜3776mと日本一高い山です。当山小屋本八合目トモエ館でも3400mあります。通常、平地に慣れていた体が、簡単に車で五合目(標高2300m)までの低気圧圏内に行けてしまう訳ですから、高さを実感できないまま登山してしまうと大概の人は登山途中で軽い高山病の症状を体感します。富士山頂において、酸素量は平地の3分の2になりますから体の不調なんてだれに起こってもおかしくない症状です。

主に頭痛、吐き気、めまい等の症状をもよおします。これらの症状は運動神経とか年齢には関係なく、その人の体調(過労)とか体質にもよります。

高山病が起こる理由は?

  • 体の各組織で酸素が欠乏状態になっている
  • 気圧の低下により乾燥して体の水分が欠乏になっている

ことが主な原因となります。

予防法

高山病が起こる原因について対策することが予防法となります。以下のことを肝に銘じて登山をしてください。

  • ゆっくり登る・・・酸欠になるのを防ぎ、体を徐々に高度順応させる
  • 呼吸を深くする・・・酸欠になるのを防ぐ
  • 水分をたくさん取る・・・脱水症状を防ぐ
  • 睡眠をしっかりとる・・・弱った体で登らない
  • 体を冷やさない・・・冷えると血液中の酸素の有効活用ができなくなってしまう

五合目に到着したら登山する前に一時間ほど休憩して気圧に体を慣らしてください。
意識的に、酸欠や水分不足にならないように注意することが非常に重要です。予防を心がける事で、高山病になる確率を減らすことができます。

高山病にかかった時には・・・

登山中に気分が悪くなった時は、休憩をとり、体を暖め、水分を多めにとります。酸素も十分に取り入れるためにたっぷりと深呼吸をしましょう。
山小屋にて気分が悪くなった時は、暖かい格好をして外に出て、新鮮な空気を取り入れてください。水分を取りながら軽いストレッチをして、意識的に深呼吸をすることで、体が高度に慣れて体調が回復することはよくあります。
それでも回復の兆しがない場合は、五合目まで下山すると正常に戻ります。無理せずに頂上をあきらめ、下山する勇気も大切です。

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